④ 余滴 『捧 げ る』
クリスマスページェントには東の博士たちの登場が欠かせません。彼らは長い旅を経て幼子イエスと母マリアに辿り着き、ひれ伏して拝み、「宝の箱」から「黄金、乳香、没薬」を捧げます。この三つは、いずれも高価なものであり、かつ占星術に用いられた大切な道具であったとされています。それらは彼らの「宝物」だったのです。★しかし、いま「宝の箱」を開け、すべてを幼子に捧げます。そして、夢の中で示された通り「別の道を通って」故郷へと帰って行きました。空になった「宝の箱」を大事そうに抱えて★私たちもそれぞれ「宝の箱」をもっています。自分のこれまでの人生を支え、今の生活を豊かにし、将来の保証となるような宝物の入った「宝の箱」を。しかし、博士たちはその大切な宝物すべてを捧げました。宝物はなくなり、カラの箱だけが手元に残りました。 ★でも、宝の箱は本当にカラになっていたのでしょうか。確かに目に見える宝物はもうありませんでしたが、箱の中には救い主に出会った「喜び」という宝物が入っていたのです。彼らは「信仰と希望と愛」という新しい宝物の詰まった「宝の箱」を抱いて、来た道とは別の道をいま歩み始めるのです。あなたは?
(マタイによる福音書2章1~12)