「負けても」
熱戦が続いた今年の夏の高校野球大会は埼玉の花咲徳栄が決勝戦で広島の広陵を打ち破って初優勝しました。
ところで、高校野球というと、試合終了後に勝ったチームがホームベース上に並び、校歌の演奏とともに校旗がセンターポールに掲揚されます。優勝校などは何度もその栄誉を受けるのですが、一方、一回も校歌が歌われず、校旗も掲揚されないまま甲子園を去る学校が半数もあるのです。
ある人が新聞にこんな投書をしていました。「試合後は負けたチームがホームベース上に並び、その学校の校歌が歌われ、校旗が掲揚されるのはどうだろうか。まず負けたチームの健闘をたたえるのだ。そのようにすると、すべての出場校が必ず一回ずつ校歌が歌われ、校旗が掲揚されることになる。勝っても負けても平等に扱われる、これが高校野球ではないだろうか」
これを読んだとき大賛成でした。勝ったチームだけが称えられるのではなく、負けたチームの健闘も同じように称えられるべきだと思ったのです。この提案は受け入れられなかったようですが、テレビで負けたチームの選手が泣きじゃくっている姿を見て、甲子園に来るまでには勝ったチームと同じ練習と努力があっただろうに、せめてもそれを称える心があってもよいのではないか、と考えるのですが。