56.「旅ゆけば」

 

お盆休みに入り、郷里や観光地へ旅する人で交通機関は大混雑です。反面、東京は人が少なくなり、街はガラガラ、行くあてのない人間には静かなひと時となります。

 

イエスは旅する人でした。洗礼を受けた後の「公生涯」のほとんどを旅人として過ごしています。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕するところもない」(マタイ820)イエスの旅は現代風に言うならば「住所不定」、「職業不詳」の放浪の旅と言うところでしょうか。

 

「寅さんとイエス」と言う本を書いた神父さんがいます。その共通点は「フ―テン」性にあると言います。フ―テンは漢字で「瘋癲」と書きますが、むしろ「風天」とする方が聖書的と言えましょう。イエスも寅さんも「タンポポのわたように天の風」に吹かれて旅する人だったからです。

 

「いつだったか きみたちが空をとんで行くのを見たよ 風に吹かれて ただ一つのものを持って 旅する姿がうれしくてならなかったよ 人間だってどうしても必要なものは ただ一つ 私も余計なものを 捨てれば 空をとべるような気がしたよ」(星野富弘)

 

人生は旅とも言われます。「行き先を知らずして旅立ったアブラハム」のように、天の風に吹かれて、行くあてもなくきょうも旅ゆく。はやくそんな人生を生きたい・・・

 

大都会の小さな教会

 目白通りを一本入った閑静な住宅地に、芝生の生い茂った暖かい教会があります。

 信仰に導かれて長い間この教会を支えて来られた年配の方々、またその方たちを心のよりどころとする若い仲間たち。ここには明るい笑顔に包まれた「神の家族」があります。

「家庭的なぬくもりを感じますね」と、新しく来られた方々からよく言われます。

 これからもこの地域に根ざした、愛と希望に満ちた教会形成に励んで参ります。

 

「二人または三人が私の名によって集まるところには、私もその中にいるのである」<マタイ18:20>

 

どうぞどなたでもご自由に教会をお訪ねください。