余滴35 「休む」
「胃が痛む者は、私のところに来なさい。あなた方を元気にしてあげよう」 フランスのレストランの看板に書いてあった言葉だそうです。お分かりのように、「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」とのイエスの言葉をもじったものです。
この「休ませる」という言葉は「元気にする」という意味があり、ラテン語では「レストゥラ―レ」といいます。レストランはここから来た言葉です。当店のワインを飲めば胃の痛みなんかすぐに良くなる、との宣伝文句です。ちなみに、聖書にも「胃のためにブドウ酒を少し用いなさい」(テモテ一、5:23)とあります。ワインはからだのために良いし、それに元気にもなります。
ところで看板といえば、教会の看板にはかの聖句が書かれているのが多いようです。教会は「疲れた者、重荷を負う者を招いている」とのアピールをします。しかし、礼拝に来ても元気を与えられるのでしょうか。厳粛であっても退屈、長く難しい説教、元気を得て教会を後にすることが少なくありません、そんな教会なら、「看板に偽りあり」となるしょう。
礼拝では心に触れる説教が語られ、喜びに満ちて讃美歌を歌い、そして「パンとブドウ酒」(聖餐式)に与ることもできる。これでミシュランの「一ツ星レストラン」に負けるとすれば、「看板倒れ」ですね。
マタイによる福音書11章28節