14 余滴 『地を継ぐ』

 

山上の教えの三番目の祝福です。柔和な人とは一般的には「円満で、穏やか、謙遜な人」のことでしょう。東洋的な意味では人格者とは柔和な人のことでもあります。しかし、旧約聖書では意味が少し違います。詩編3711には「貧しい人は地を継ぎ」とあり、「柔和な人」とは、むしろ「貧しい人」のことを意味しているのです。  

東日本を襲った大地震と津波で家屋、土地、財産を失った多くの人々の悲しみに思いを寄せつつ、聖書をケセン語(岩手の気仙地域の言葉)に翻訳した山浦玄嗣さんは「貧しき人」のことをこう訳しています。「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ァ、幸せだ」 柔和な人とはこのような人々のことです。

詩編はさらに続けています。「主に望みを置き、主の道を守れ。主はあなたを高く上げて、地を継がせてくださる」(3734) 頼るものをすべて失なった時、ただ神に頼り、神に望みを託すしかありません。それが「心の貧しさ」なのです。

イエスはその人々こそ神の地(国)を受け継ぐにふさわしいと宣言します。それはすでに「神の国」は近づいており、「柔和な人々」は神の地(国)を継ぐ望みの中に生かされているからです。

戦火で故国を追われた人々、難民として外国の地に住まざるを得ない人々、災害や地震で先祖伝来の家や田畑を失った人々、イエスもまた安住の地を持たない人でした。そのイエスと共に「柔和な人々」は神の国を継ぐことを約束されているのです。

 

( マタイによる福音書54~節)

 

大都会の小さな教会

 目白通りを一本入った閑静な住宅地に、芝生の生い茂った暖かい教会があります。

 信仰に導かれて長い間この教会を支えて来られた年配の方々、またその方たちを心のよりどころとする若い仲間たち。ここには明るい笑顔に包まれた「神の家族」があります。

「家庭的なぬくもりを感じますね」と、新しく来られた方々からよく言われます。

 これからもこの地域に根ざした、愛と希望に満ちた教会形成に励んで参ります。

 

「二人または三人が私の名によって集まるところには、私もその中にいるのである」<マタイ18:20>

 

どうぞどなたでもご自由に教会をお訪ねください。